2022年10月1日土曜日

薬識手帳(お薬手帳)の内容確認について

 歯科治療で行う処置には、歯石の除去をはじめ抜歯などの観血処置が多く含まれます。

特に歯石の除去は多くの方が希望され、気楽に受けられる場合が多いのですが、実は日本赤十社で行われる献血もご遠慮いただくいくつかの項目の中に「歯石除去を受けた日を含む3日間」をあげています。理由は「口腔内常在菌が血中に移行し、菌血症になる可能性があるため」です。

出血を伴う歯科治療(歯石除去を含む)を受けた方|献血をご遠慮いただく場合|献血の流れ|献血について|日本赤十字社 (jrc.or.jp)


日常的に歯の治療に携わっている人間としては、その日を含む3日間のみではなく、1週間ぐらいは献血などは控えたほうが好ましいかな?思うこともあります。例えば糖尿病を患っていらっしゃる方ですと、一般的に傷口などの治癒が遅れますし、心疾患、高血圧性疾患、梗塞性疾患で多剤服用の方ですと、抗血小板薬(血液をサラサラにするお薬)を内服されていることも見受けられ、出血のリスクなども上がってきます。

献血から話がそれますが、最近では骨粗鬆症やがんの治療などで処方されているお薬を内服している方へ観血処置を行うと、ある程度の確率で顎骨壊死を起こすことなども報告されております。また、このお薬に関しては必ずしも処方されているものばかりでもなく、外来で注射により摂取されている場合もあるようです。このような場合に根本的療としては観血処置が必要な場合においてもすぐに行うことができず、対症療法しか行うことができない場合も多くあります。

このような事例があることより、必要と判断すれば各科主治医の先生への照会を行い、可能な限り安全に配慮して治療を行う必要があります。


そのため、薬識情報について確認のできない患者さんに対しては、治療を行うことが不可能となる場合もございます。ご了承ください。



0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。